甘能美にあふれた世界

感性と感情に浸る時間を過ごします。

横領ダメ絶対

前の会社では問題を起こす男性社員が何人かいて、そのせいで昇格は遅れているとはっきりわかる感じの空気だった。

 

それでも社長率いる上の人たちは見捨てていないようだった。まさに体育会系の、だけど優しい空気。

 

 

私が入社して2・3ヶ月経ったある日、なんかやらかして重苦しい会議になった。やらかした人はわたしと同じチームの人で、チーム全員で会議になった。

 

 

月謝とは別に感謝のおこころ金が出ていたが、それを会社に出さず自分のものにしてしまったことがバレたらしい。

 

許せるか許せないかだったか…?

それをチーム全員に問われた。

 

私は分からないと答えた。

 

何度もやらかしてるらしいその人に、私以外のチームメンバーは許さないと言った。何度もやらかしてるから呆れてるように言っていた。

 

しかしわたしはほんの数ヶ月しか関わりがなく、その関わりの間、その人はいい人だったのだ。

 

だから私は、その人に関する情報量が少ないので判断できない。だから今回のことは許せる。と答えた。

 

人間は魔が刺すことがあると知っていたから、正直許せた。だから確か許せると言った気がする。なんて答えたかは忘れちゃったが、彼に寄り添う答えだった。

 

チームメンバーにはマジかよの顔をされたが、自分が間違っているとは思えなかったよ。魔が刺すほどの弱い心の持ち主で、それを強くしてあげるのが会社や周りの関わり方だろうという私の持論。みんなが許さないなら、私だけは別の立場であろうと思ったのだ。呆れるほど何度もやらかしているのに、またやらかしたなら、会社の指導力の問題だろうと心に思っていた。

(ちなみにやらかしたやつの上司はのちに私を鬱にするクソ上司であり、やらかし君が成長できないのも頷けた)

 

そもそも、社員の如何を決めるのは私ではなく上の人たちであり権限もそちらにある。こーゆーことがまた起こらないように、他のメンバーを巻き込んで釘を刺すイベントなのだと私はすぐに分かった。むしろ新入社員の私を試しているんだなとまで思った。

 

やらかした人と3年過ごした今の私は、許さなくて良いと言えるだけの情報を持っているが、2.3ヶ月の私はそんな情報がない。だから許せた。ミスは誰にでもある。2回までは許すのが私の感覚。

 

金を盗んだこと自体はダメだけど、会社が罰することで私が罰を与える側ではない。私の立場で言えば、何故それをしたのかヒアリングしてあげることだと思った。メンバーの抑止力か何か知らんが、吊し上げて罰を与えたかったのかとそのくだらなさに驚いたことを今でも覚えている。